病院で働く看護師は常にマスクを付けた状態です。患者と接する時や休憩時間もマスクを外すことはほぼありませんが、マスクには病気の原因であるウイルスを遮断する効果はありません。マスクの生地の織り目と比べるとウイルスは非常に小さいため、容易にすり抜けてしまいます。
ウイルス除けの効果がないマスクを使用するのは、患者と接した際に唾液などの体液が付着するのを防ぐためです。病気に罹患している患者は体中をウイルスが巡っている状態です。体液にもウイルスが混在しているため、くしゃみやせきをする度にウイルスが混ざった唾液を撒き散らしている形になります。
看護師などの医療従事者は患者と至近距離で接する機会が多いので、唾液の付着を防ぐためにもマスクが欠かせません。

また、マスクは自分の唾液を周囲に拡散させない効果もあります。万が一、自分が何らかの病気に罹患していた場合、マスクを付けていればくしゃみやせきをしてもウイルスが混ざった唾液を飛ばしてしまうことはありません。
唾液を遮断するマスクはウイルスを防ぐことはできないものの、感染リスクの大幅な軽減に役立つのは紛れもない事実です。特に看護師は医療従事者の中でもっとも患者と接する機会が多いので、感染予防の取り組みはやり過ぎるということはありません。
マスクを付けることで唾液の飛散を防ぐことに気を配っていると患者に認識させ、安心感を与える効果もあります。病院の衛生管理と患者への気配りを両立できるのがマスクの最大の効果と言えるでしょう。